感想 映画

シコふんじゃった 感想 今見てもかなり面白い相撲スポ根コメディ

投稿日:2019年8月7日 更新日:

1990年日本公開「シコふんじゃった」。

 今見てもかなり面白い。

 監督は「Shall we ダンス?」の周防正行。

 主演は本木雅弘。当時の相撲ブームに逆らった斜に構えた大学生役を好演。

 30年前の映画でありながら「スポ根もの」に期待するすべてが詰まったコメディ映画。

 最近こういう王道映画もないような。

 ちょっと前に話題になった「女性が土俵に上がるタブー」についても、この作品ですでに問題提起されており、その点でも古臭さを感じなかった。

 今年12月に周防監督最新作「カツベン」が公開されるので鑑賞。

 竹中直人こっちにも出てる笑

「シコふんじゃった」あらすじ

 卒業の危機に直面した大学生が、就職の交換条件に廃部待ったなしの相撲部に入部させられる。

 最初はイヤイヤだったのが、個性豊かな落ちこぼれ仲間たちと共に練習や試合を重ねるごとに熱中し、成長していく。

ネタバレ感想 落ちこぼれたちの下剋上

 どストレートに面白かった。

 細かいところまで味付けしてあるキャラクターも良いし、挫折を繰り返しながらもコツコツ成長し、最後にドカンと勝つストーリーも良い。

 典型的無気力な若者の秋平、緊張しいでお腹にイチモツ抱えた青木、臆病癖のある田中、男になりたい春雄、お尻を見せたくないスマイリー、どのキャラも個性付けがはっきりしてて、しかも応援したくなる。

 部員それぞれがそれぞれの課題を克服していき、最後には勝利を掴む流れも心地よかった。

 気になった点は「弱小相撲部の復活」という視聴者が食いつきやすい筋書きがあるとはいえ、テレビがなんのきっかけもなく取材に来るのは不自然、と思ったくらい。

 スポ根もののお手本のような映画。

 このジャンルはこれ以上新しくなる必要はない、と思うほど完成されてた。

「この世界の片隅に」の曲が流れる

 夏合宿のシーンで聞き覚えのある曲が流れて興奮した。

 「この世界の片隅に」のオープニング曲として有名な「悲しくてやりきれない」。

 てっきりコトリンゴの曲と思ってたけど68年の曲なのか。

 「シコふんじゃった」ではおおたか静流がカバーしている。

 夏景色のシーンによく似合っていた。

女性は土俵に上がってはいけない伝統

 怪我をして土俵に上がれなくなった春雄に代わり、彼に恋するぽっちゃり正子が出場を申し出るシーンがある。

 女は土俵に上がれない、ということで正子は胸をテーピングで隠し、男として出場する。

 その後もマネージャーの夏子が土俵を横断せず、わざわざ回り込んで行くカットがあったり、ラストの秋平と夏子がシコを踏むシーンでも、この辺は明らかに意識されている。

 相撲協会のイメージは近年地獄に落ちてるので、ポリコレ棒を振り回す側に立つわけじゃないけど、これ本当に守るべき伝統なのか? とは思った。

まとめ 「カツベン」も期待

 たまによくある「とりあえず観てみるかぁ」程度で観始めて、その映画が当たりで得した気分になるやつ。

 「シコふんじゃった」はまさにそれだった。

 モックン格好いいし清水美砂きれいだし竹中直人は変わらないし。

 観て損なしの映画でした。

 周防監督最新作「カツベン」にも期待。

-感想, 映画

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

【シーズンF】有田と週刊プロレスと#4 天龍VSパリピ! ジャイアント馬場のモノマネ多め! 感想

天龍源一郎に訪れた奇妙な転機  今回扱うのは1990年4月28日の週刊プロレス。  ゲストは北海道芸人で現在、加藤浩次についていくかどうか迷っている平成ノブシコブシ吉村。  約30年前に開かれた『日米 …

ワンピース スタンピード【考察予想】映画は原作の強さランキングに影響を及ぼすか

海賊、海軍、王下七武海、革命軍、CP0、全勢力集結! 奇跡の共同戦線  ワンピース映画最新作「ワンピース スタンピード」が8月9日から公開される。  過去最大級のキャラクター共演が実現する本作。  期 …

トイ・ストーリー4 賛否両論の結末。ジョン・ラセターがセクハラしたからこうなったんじゃね【ネタバレ】

「トイ・ストーリー4」ネタバレ感想  2019年ピクサー最新作「トイ・ストーリー4」。  9年前、トイ・ストーリー3を観たのと同じ映画館で観てきた。  俺は年齢がウッディの最初の持ち主アンディに近いの …

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。 【感想】 怖くはないが続編は観たくなる

2017年アメリカ公開「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」  スティーヴン・キング原作の人気小説の映画化。  原作が分厚い本4冊分の大長編のため、映画は二部構成、今作はその第一部。  第二部 …

君の名は。 作家性とエンタメ性のゴチャまぜ丼【ネタバレ】

「秒速5センチメートル」から「君の名は。」へ  君の名は。をこの間ついに観たのでダラダラ感想。  面白かった。  秒速5センチメートルにドハマリした高校生当時。  それ以降他の新海誠作品は観てなかった …