最強16人による最強を巡るトーナメントを描く喧嘩稼業、数カ月ぶりの掲載
長かった。
いま世界で一番面白い漫画。
決着がつく直前で長期休載はほんときつかった。
空手・上杉均VS合気道・芝原剛盛の第5試合。
序盤、中盤と常に芝原剛盛有利で進んでいたものの、前回ラストで上杉の必殺が炸裂し、ダブルノックダウン。
さぁどっちが立ち上がるか!? というタイミングでの休載だった。
鬼か。
ちなみに今までで一番きつかった休載タイミングは、宿敵ピトーとの再会が迫り闘志を燃やすゴンのコマで終わったあの日。エムギミです。
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倒れた二人、どっちが立ち上がるか? というバトルあるあるを木多康昭はどう料理したか
ダブルノックダウンからどっちが立ち上がるか、というのは昔からあるある展開として誰しも見た覚えがあると思う。
いま一番新しい格闘漫画を描いている木多先生がこの展開をどう解釈するか、かなり楽しみだった。
結論から言うと立ち上がったのは上杉均。
まだ安心はできない。
立ち上がったと思ったら実は勝った相手に持ち上げられていただけだった、みたいなターザンパターンもあり得る。
特に芝原サイドには無敵状態になれる魔人薬を持つ医師の後藤がついているため、芝原がいつ立ち上がってもおかしくはなかった。
が、芝原は立ち上がらない。
上杉から受けた一撃必殺の打撃、金剛によって沈んだままだった。
勝ったのは上杉均だった。
結果だけ見るとシンプルだけど、その過程に木多先生のひねりを見た。
それは上杉均という「男」を際立たせる決着だった
試合中盤まで、二人はまさに命のやり取り、「相手を殺す覚悟」で戦っていた。
特に上杉均の殺意は半端でなく「撲殺してやる」とまで宣言している。怖い。
しかし、上杉はトドメを刺さなかった。
それどころか、敵セコンドである芝原の息子に「タオルを投げろ」と説得する。
心室細動を起こしている。放っておけば命を落とす。審判は選手の安全を考慮しない。今タオルを投げなければ息子のお前は一生それを背負うことになる。
芝原サイドが一貫して突いてきた上杉均の弱点「情」こそが、実は上杉均の強さの根源だったのだとわかる。
キャラの魅力をこれでもかと押し上げての決着。
芝原の息子でさえ上杉に敬意を抱く始末。
かっこいいかよ。
そして第6試合へ。初めて「瞬殺」が描かれる?
ズタボロの上杉には恐らく、この直後に予定していたトーナメント主催者の田島彬襲撃は不可能。
田島を誰が襲撃するのかも気になるけど、もっと気になるのは次の試合。
最も「陰陽トーナメント」という名を表した組み合わせ
軍隊格闘・佐川睦夫VS柔道・関修一郎
睦夫は参加者中、最も陰の要素がある。
汚い手段を選ばない陰側の主人公、十兵衛のベッド下に潜り込んでいた描写からも、陰としての戦い方はずば抜けているんじゃないかと勝手に思っている。
対して関は最強横綱・金降山と並ぶ国民的スターであり、彼の紹介エピソードには気持ち悪いほど毒がない。親に愛され友達に囲まれ才能に恵まれ、スペックだけで見ると間違いなく関と金降山が最強2トップになる。
親にも才能にも恵まれなかった睦夫とは対照的。
喧嘩稼業で描かれる勝負はすべて、お互いが力の限りを出し尽くして出し尽くして、その末に決着がついている。
そのくらい1キャラ1キャラが濃いので試合ごとの満足度も高いんだけど、第6試合はどうなるんだろう。
いろいろな予想の中に「第6試合は睦夫が陰の戦いを知らない関を瞬殺して勝つ」というのがある。
個人的にはじっくり1巻分くらいかけて戦ってほしいけど、木田先生の解釈で描くあるある展開「瞬殺」も見てみたい気もする。
水曜日のダウンタウンでもそんな説あったな。確かキン肉マンの試合が一位の。
金降山の死のタイミングも今後の展開に関わってくる?
今回、すでに死んだことが読者には知らされている金降山のことを十兵衛たちは知らない。
彼らは金降山が生きている体で話をしているが(第5試合決着時点ではまだ生きてるかもだが)、金降山の死ぬタイミングもトーナメントに影響を与えるのだろうか。
タイミングによっては対金降山で準備していた文さんが、試合直前で「やっぱ川口と戦ってもらいます」となる可能性もあるのかな。不戦勝の可能性もあるけど。この辺は全然予想できない。
今後の予想
後藤先生は芝原蘇生に間に合わず。
しかし十兵衛と文学がAEDを運んで芝原を助け、恩を売る。
目的は後藤先生が持つ無敵になれる魔人薬。骨折した文さんにも優勝の芽が!?
まとめ
もちろん来週は載らない。
安定の不定期掲載。
一番楽しみな試合は第4試合だったけど、一番好きなキャラは少○寺拳法・三代川祐介。
でもその人第8試合。
このペースだと東京オリンピック終わった翌年くらいかな!!