2017年アメリカ公開「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」
スティーヴン・キング原作の人気小説の映画化。
原作が分厚い本4冊分の大長編のため、映画は二部構成、今作はその第一部。
第二部は今年11月に公開。
ホラー映画と銘打たれてはいるものの、期待すると肩透かしを食らう。
ホラー要素も入った青春映画として観た方が良い。
あらすじ
1988年。
アメリカ、メイン州デリー。
“それ”によって子供の失踪が相次ぐ田舎町。
弟が失踪した少年ビルは、ルーザーズクラブの友達と共に連続失踪事件の謎を追う。
友情、いじめ、初恋、家族、喧嘩……。
それぞれに思春期の悩みを抱えながらも、彼らは“それ”の恐怖に立ち向かう。
ネタバレ感想 ホラーではなく青春映画。しかしスタンド・バイ・ミーほどの感動作でもない。
まず観終わって続編が早く観たくなった。
原作は昔読もうとしたことがあるけど、長いのと訳文が難しいのとで挫折……。
テレビドラマ版も未視聴。
みずみずしい少年少女の戦いを描いた第一部から、27年飛んで中年となった主人公たちが再び“それ”と対峙する第二部。
キャラクターがみんな良くて、ホラー要素抜きに青春映画として面白かった。
ペニーワイズが怖くない
前評判はある程度聴いてたのでホラーとしての期待はしないで観た。
確かに怖くない演出が多い。
最初は「ホラーに重きを置いてないだけ」と思ったけど、あまりに演出に工夫がないので、「手を抜いてる」と思われても仕方ない。
ピエロのペニーワイズも、彼が変化した子どもたちが最も恐れる対象もそう。
基本的に化け物はこっちの意表をつくことなく普通に出てくる。
で、BGM流してみたりカメラを斜めアングルにしてみたりして、それっぽいシーンにしている。
子供向けのホラーなんだと言われればそれまでだけど、主人公たちの27年に渡る“それ”との対峙を描く映画で、大人の観客を無視していいとも思わない。
“それ”が怖くなければ、“それ”を怖がる主人公たちにも感情移入しにくくなって致命的だ。
一部怖かったシーンもある。
冒頭の有名な下水道に引きずり込まれるシーン。
首のない子供が突然駆け出してくるシーン(でも他のシーンでも同じ手法が使われてるのでなんだかな)
ペニーワイズが怖くなかったのは残念だけど、もともとそこには期待せずに観たので自分的には問題なかった。
ペニーワイズがブルブル震えながら突っ込んでくるシーンは、魔人薬で覚醒した喧嘩稼業の金田保みたいで「オマージュかな?」と思った。
主人公たちの友情についてもう少し
青春映画として楽しめたけど「スタンド・バイ・ミー」ほどの出来ではない。
ホラーにも尺を割く都合上、どうしても中途半端になってしまった感がある。
そのホラー要素も微妙なので余計に目立った。
ジェームズ・ワンに頼めばよかったのに
鑑賞中ずっと、ジェームズ・ワンに頼めば良かったのに、と頭にチラついてた。
「インシディアス」「死霊館」など、家族愛にばっかフォーカス当てるから作品の見分けがつかなかったりするけど、ドラマもホラーもしっかりまとめてくれるジェームズ・ワン・バージョンで観てみたかったなぁ。
まとめ「IT( イット)2 THE END/それが見えたら、終わり」に向けて
不満はあるけどドラマは引き込まれたので続編は劇場で観る。
原作も再チャレンジしてみようかな。
第二部では撃退したはずのペニーワイズが27年後再び現れ、中年となった主人公たちが対峙する。
主人公たちがどんな変化を遂げてるのか、ペニーワイズをそもそも倒せるのか、今から楽しみ。