「君の名は。」のハリウッド実写版監督によるヒューマンドラマ
2017年アメリカ公開「gifted/ギフテッド」。
天才がゆえに人生を縛られる危機に瀕した少女を、同じく天才だった姉を自殺で失った男が救おうとする。
主演は「キャプテン・アメリカ」のクリス・エヴァンス。
どっかで観たことあるイケメンだなーとしばらく気づかなった。ごめん。
監督はマーク・ウェブ。
「(500日)のサマー」「アメイジング・スパイダーマン」シリーズなどの監督で、なんとハリウッドで実写化が発表された「君の名は。」の監督も務める。
「(500日)のサマー」かなり好きでブルーレイも持っている。
ミュージックビデオ出身の監督ならではのスマートでおしゃれな画作りが特徴。
「君の名は。」もこの監督なら期待大!
gifted/ギフテッド ネタバレあらすじ
7歳の女の子メアリーは、叔父で独り身のフランク、猫のフレッドと一緒に暮らしている。
小学校にイヤイヤ通った初日、メアリーは教師から繰り出される数学の難問を次々と解き、その天才的な能力を明かしてしまう。
メアリーを天才=ギフテッドのための学校に移すよう勧められるフランクだったが、固くそれを断る。
実はメアリーの母親も「超難問のミレニアム問題を解く」と将来期待されたギフテッドだったが、それゆえに人生を母親に支配され、自殺してしまった過去があった。
その苦い経験から、フランクはメアリーの才能を生かすより彼女の幸せを優先させようとしていた。
しかし、その母親イヴリンが時期を同じくして二人の前に現れる。
要求はメアリーをフランクから引き離し、ひたすらに才能を伸ばすこと。
さらには自殺した彼女の母親が解けなかったミレニアム問題に挑戦させることだった。
フランクは当然それを拒否。
「才能」か「幸せ」か。
メアリーを巡る争いは法廷にまで持ち込まれる。
紆余曲折を経て、不利となったフランクは「メアリーがイヴリンに支配されないために」と第三者の里親に彼女を預けることにする。
実の親子より深い絆があると信じていたメアリーは泣いてすがるも、二人は離れ離れになってしまう。
最善の選択だったと信じたフランクだったが、しばらく経ったある日、メアリーと共にいるはずの猫のフレッドを動物愛護センターで見つける。
フレッドを殺処分寸前のところで助けたフランクは、自身の選択の過ちに気づきメアリーの元へ向かう。
そこでは裁判の和解条件を破ったイヴリンによる支配、英才教育がメアリーに施されていた。
愛猫が捨てられたのは、イヴリンが猫アレルギーだからだった。
自殺した姉の成せなかった偉業を今度こそ、と息巻くイヴリンにフランクは真実を突きつける。
姉はすでにミレニアム問題を解いていた。
自殺の直前、その答えをフランクに託していた。
なぜその事実を公表しなかったのかと聞くイヴリンに、
「死後に公表しろと頼まれた」
とフランク。
イヴリンはわけがわからない。
「彼女はずっと前に死んだのよ」
「姉じゃない」
イヴリンは、母親である自分の死後に公表が予定されていたことに言葉を失う。
支配的な母親に対する娘からのささやかな復讐だった。
イヴリンの支配を逃れたメアリーはその後、大学で授業を受けつつ放課後には同年代の子供たちと遊ぶ、才能と幸せのバランスが取れた生活を送るのだった。
感想 面白かった! でも才能と幸せってそんなに両立しないもの?
ということで感想。
面白かったです。
ストーリーは王道、キャストも良かった。
子役も可愛くて演技が素晴らしい。
芦田愛菜を疑いの目でしか見れない俺でも、フランクとメアリーの別れのシーンではうるっときた。
クリス・エヴァンスの良き父親(叔父だけど)もいいっすね。キャプテン・アメリカなら大丈夫だろという安心感もある。
ただ映画序盤からずっと引っかかったのがフランクの育成方針。
才能を伸ばすことを否定し、普通の女の子として育てようとするんだけど、才能と幸せってそんなに両立しないものか?
もちろんフランクにはトラウマがあって、才能を伸ばした末に姉が自殺したから、というのがあるんだけど、それにしても極端だろと思った。
才能があるのは素晴らしいことだし、フランクの独断で、メアリーの非凡な可能性を潰してしまうこともまた残酷だと思う。
「才能側」の悪役イヴリンも、「才能=悪」という作品の構図を作るために、無理やりキャラ付けさせられてる感じが強かった。
メアリーが可愛がってる猫を捨てて殺処分させようとしたりね。
様々な困難を乗り越えて、ラストでは才能と幸せのバランスを両立するわけだけど、「わざわざそこに行くまでもなくたどり着ける答えじゃね」という疑念は拭えなかった。
とはいえ観てよかったと思える作品。
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